技術紹介
樹脂のテストピース(試験片)カスタム受託製造サービス
2025.05.29
新素材の開発や製品評価、さらには再生材料(リサイクル樹脂)の性能確認のための樹脂テストピース(試験片)の製造でお困りではありませんか?弊社では、あらゆる試験・評価ニーズに応じたカスタム仕様の樹脂テストピース製造を受託しています。射出成形にて成形材でのテストピースを1個から製作可能です。
主なテストピース形状

平板型
一般的な物性試験、耐候性試験、熱劣化試験など多目的に使われるシンプルな板状。
厚肉テストピース 射出成形で 6mmまで製作可能
サイズ:220×300×6mm
厚さ60mmまで挑戦中です。

ダンベル型(引張試験片)
引張試験に用いられ、中央が細くなったダンベル状の形状。
| 主な規格(引張試験片:ダンベル型) | ||||||
| 1. プラスチック用(JIS K 7161 / ISO 527 準拠) | ||||||
| 規格 | 種別 | 全長 (mm) | 平行部長さ (mm) | 平行部幅 (mm) | 厚さ (mm) | 肩R (mm) |
| ISO 527-2 1A | 標準小型 | 170 | 80 | 10 | 4 | 60 |
| ISO 527-2 1B | 小型 | 150 | 60 | 10 | 4 | 30 |
| ISO 527-2 1BA | ミニチュア | 75 | 25 | 5 | 2 | 12.5 |

短冊型(曲げ試験片)
長方形の板状で、曲げ試験に使用。
規格のポイント
成形方法(射出成形や圧縮成形)で寸法精度が異なるため、加工後に寸法確認が必要。
短冊型は「矩形断面」で、中央に荷重をかけて三点曲げ試験を行う。
幅と厚みは厳格に管理(特に厚みは曲げ強度に大きく影響)。
スパン長さは厚みに比例して決まる(t×16 が基本)。
| 短冊型(曲げ試験片:プラスチック) | ||
| JIS K 7171 / ISO 178 に準拠した試験片寸法 | ||
| 項目 | 標準寸法 | 備考 |
| 長さ | 80 mm 以上(一般的に 80 mm または 100 mm) | 支点間距離(スパン長さ)の 16倍以上必要 |
| 幅 | 10 mm ± 0.2 | 精度管理が重要 |
| 厚さ | 4 mm ± 0.2 | 成形品によっては 3 mm でも可 |
| スパン長さ(支点間距離) | 試験片厚さの 16倍(例:厚さ 4 mm → 64 mm) | JIS では 16倍 が原則 |

シャルピー衝撃試験片(ノッチ付き短冊型)
衝撃強度試験用で、一辺にノッチ(切り欠き)を施した短冊状。
標準試験片の寸法(ASTM D256)
| 項目 | 寸法 | 備考 |
| 長さ | 63.5 mm (2.5 inch) | 試験片全長 |
| 幅(高さ) | 12.7 mm (0.5 inch) | 打撃方向に対して垂直 |
| 厚さ | 3.2 mm (1/8 inch) | 標準厚み(最も一般的) |
| ノッチ角度 | 45° ± 1° | Vノッチ形状 |
| ノッチ深さ | 約 2.54 mm(残り厚さ 10.16 mm) | ノッチ底から反対面までの残り厚さで規定 |
| ノッチ先端半径 | 0.25 mm ± 0.05 mm | R0.25 mmが標準 |
| ノッチ位置 | クランプ端から約 28 mm | 打撃点とクランプの距離を一定化 |
これらの基本的な形状以外にも、試験目的や規格(ISO、JIS、ASTM)に合わせて特注の形状にも対応しています。
ギケンのテストピース(試験片)作成サービスの強み
1. 幅広い素材に対応
ABS、ポリカーボネート、ナイロン、POMなどの汎用樹脂から、PEEKやPPSなどのスーパーエンプラ、さらに再生材料(リサイクル樹脂)まで、豊富な素材に対応しています。
2. 柔軟なカスタマイズ
寸法や形状、特殊条件など、お客様のご要望に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。再生材料特有の品質検証においても精密な加工でお応えします。
3. 精密な加工技術
高精度な切削加工により、規格通りの試験片を迅速かつ安定して製造いたします。再生材料の評価にも高い精度で対応します。
4. 小ロットから中量産まで対応
試作段階の少数製造から、射出成形にまとまったロットまで一貫して製造可能です。特に再生材料の品質管理においては、複数ロットの安定的な供給が重要です。
再生材料を用いたテストピース(試験片)への需要が高まっている理由
1. 環境意識の高まり
- 持続可能性や環境負荷低減への関心が高まり、再生材料を使った製品開発が増加しています。その品質や性能を評価するための試験が不可欠です。
2. 品質保証と性能確認
- 再生材料は品質にばらつきがあるため、安定した製品を作るために性能試験を行い、物性や耐久性などを正確に把握する必要があります。
3. 法規制や規格対応
- 再生材使用製品が各種の環境基準や規格を満たしているかを確認するため、テストピースによる試験と認証取得が必要です。
4. コスト管理とリスク低減
- 再生材を活用することで材料費を削減できますが、その品質リスクを低減するために、定期的に試験を行って管理する必要があります。
5. 技術開発と新用途開拓
- 再生材を新しい用途に活用するためには、その性能を詳細に把握することが不可欠であり、試験用テストピースの需要が高まっています。
製造実績と信頼
自動車業界、電子部品業界、医療機器メーカーなど、多様な分野で実績があります。特に近年増加する再生材料を用いた評価試験にも多数の実績を持ち、試験データの信頼性を高めるため、高精度で安定した品質のテストピースをご提供しています。
ご相談・お問い合わせ
お客様のニーズに最適な樹脂テストピースを迅速かつ高精度で製造いたします。テストピース製造に関するご相談、お見積りはお気軽にお問い合わせください。
